『ダーク・タワー』
(The Dark Tower)
2018年1月27日公開
<あらすじ>
巨大なタワー、拳銃使いの戦士、魔術を操る黒衣の男が現れる悪夢を見続けていた少年ジェイク(トム・テイラー)は、ある日夢で見た中間世界と呼ばれる異界が現実世界とつながっている場所を発見する。
中間世界に導かれたジェイクは世界のバランスを維持するタワーの守護者であるガンスリンガーのローランド(イドリス・エルバ)とタワーを破壊しようとする黒衣の男ウォルター(マシュー・マコノヒー)の戦いに巻き込まれてしまい・・・
結論から言いますと
やっぱり期待し過ぎたーーーー!!!
んかな・・?
面白いのは面白いんです。
原作の世界観を映像化しようとする意気込みは感じました。
イドリス・エルバ演じるローランドの華麗なガンアクション。
華麗なリロード。
神業のようなリロードから始まりニューヨークの銃器店で大量の弾丸を手に入れたローランドの二丁拳銃で撃ちまくりの勇姿は格好良すぎる!
このオッサン(失礼)ガンアクションが映画の見所の一つ。
黒衣の男ウォルターを演じたのはマシュー・マコノヒー。
色気たっぷりのセクシー男ですね!(変な意味ではなく)
駄目なのはやはり95分という
上映時間の短さによる駆け足感!!
もっと説明が欲しい・・・
今回の映画について原作者のキングは
「原作の続編」という発言をしています。
これは一体どういう事なのか?
それは小説で手に入れられなかったアイテム「エルドの角笛」をすでに手に入れている状態からスタートしているという事。ローランドの背負袋にそれらしきものが見えるので間違いないかと。
原作でのローランドはクリアに必要なこの「エルドの角笛」を持っていなかった為に折角最後までたどり着いたのにハッピーエンドを向えられずまた最初からやり直しという悲惨な目にあっています。
これは昔の戦いで失われた一族に伝わる戦の角笛で
これを持っている事がダークタワー攻略の必要条件のひとつ。
映画の構成は原作をよく研究し第1部:黒衣の男を倒すまでの話を絞り、そこに至るまでをなるべく小説に出てきた要素を利用して構成しようとしたものになっていて、それ自体はよく出来ている。
1作でやる都合上、原作のどの部分を採用するかで張っている筈なのに映画版の物語としての組み立ては良い。
なのにやっぱり原作とはかけ離れたものになっている。
原作のエッセンスを取り入れたオリジナルといって良い。
見ている時の印象・全体から受ける雰囲気が
原作の「ダーク・タワー」とはまるっきり違う。
映画『ダーク・タワー』は忠実な映画化ではなく
続編でもあるという微妙な位置づけ。
それなら思い切って”続編である”と明記し
原作から一歩進んだ独自の世界を構築すれば良かったと思う。
続編とは言いながら実際には原作の色んな場面の切り貼りのようで何かもどかしい。
原作の”途方もない旅”という雰囲気がないのが残念。
そもそも7部作の原作を95分に収めるというのが
到底無理!!
物語の背後にある世界観や長い物語の中で紡ぎ出される空気感はほぼ感じられない。
キングの別の大作『スタンド』と物語が交差したり
『呪われた町』のキャラハン神父が重要なキャラで登場したり
キング自身が原作者として登場したり
というモノは相当カットされている。
ただ「シャイニング」の舞台となったオーバールックホテルがちらっと出てきたりしているのでそういう雰囲気は出そうとしてはいるのかもしれない。
当初計画されていたのは映画三部作とドラマとのマルチ展開。
映画第1部
↓
ドラマシリーズ1stシーズン
↓
映画第2部
↓
ドラマシリーズ2ndシーズン
↓
映画第3部
で完結という具合。
しかし主人公が4人から2人に減らされ上映時間95分のダーク・タワーのみで完結という時点ですでに期待出来ない。
というか期待したくても出来ない。
出来るのは”もしかしたら”という期待です。
原作の長さとネームバリューからしたら
2時間超えの大作にしてよ!!
もっと映像が観たいんだよ!!!
シリーズ化するつもりだった計画が頓挫したのかな・・・?
そんな『ダーク・タワー』ですが
気になるのは続編がどうなるのか?
一応シリーズにするって話だったし。
映画自体は続編可能な終わり方だったので
続ける事は可能ですが果たしてどうなる事やら。
評価も興行収入もあまり芳しくないのが・・・