キングの世界観は以前から『IT』『タリスマン』『不眠症』等の作品で多次元世界の思想、亀などいくつかの種類の動物の姿をとった世界の守護者の存在、破壊者(ブレイカー)・ビームの概念、そしてそれを脅かす「深紅の王(クリムゾン・キング)」について少しずつ言及されてきたが「ダーク・タワー」の完成までその全体像は全く不明だった。
本作品の完成でその存在の正体・意味などが(未だ不明な点があるにしろ)明らかになり元凶はこの深紅の王(クリムゾン・キング)によるものだったと判明する。
(クリムゾン・キングのビジュアルは
漫画「ドリフターズ」の黒幕である黒王っぽい?)
キングの諸作品において怪奇事件や不可解な出来事が発生したのは全て深紅の王による「暗黒の塔が狂ったから」であり
ローランドの目的はキング世界全体を救済する事である。
(こういう同じ原作者作品群の世界観を統一(クロスオーバー的なリンク)
しているのは大好物ですね!)
<ダークタワーの世界及び舞台>
「ダーク・タワー」には登場人物たちの背後にある
2つの勢力の対立が描かれている。
<純白>の勢力(善)と<深紅の王>の勢力(悪)。
<純白>はローランドの先祖アーサー・エルド王(円卓の騎士などで知られるアーサー王)の古くからの勢力。
ダーク・タワーの舞台となるのは中間世界と呼ばれる場所。
中間世界とは荒廃が進んだ未来の世界ではなく
現実世界とは別の世界だがあらゆる時代・場所と繋がっている
キング・ユニバースの中心世界。
出ました!
最近流行りのユニバース!!
マーベル・シネマティック・ユニバース(アベンジャーズシリーズなど)
DCエクステンデッド・ユニバース(ジャスティス・リーグシリーズなど)
モンスター・バース(ゴジラやキングコングシリーズなど)
ダーク・ユニバース(ミイラや狼男シリーズなど)
これ以外に他社でまだまだユニバース化の企画があるそう。
マーベル・シネマティック・ユニバースが成功したので
それに乗っかろうという魂胆が見え見えで面白いですね。
頓挫しそうな企画や実現出来なさそうな企画もありますが
時代の違う複数の現実世界に繋がっているので、未来のテクノロジーが古びた姿で出て来る事もあるし、古い時代の人物が生きて登場する事もある。現実世界から中間世界に迷い込んでしまう人物も何人も登場する。
この世界に建っているのが【ダーク・タワー】と呼ばれる塔。
そして世界には6本のビームがあり、その交点にあるのがダーク・タワー。塔から見ると塔を中心に12本のビームが放射状に放たれているように見える。
これはとても大切で中間世界にとっての支柱みたいなもので、この塔とビームが中間世界を支えるだけでなく、あらゆる次元の世界をつなぎ止める役割を果たしている大事なものです。
(ビーム=梁みたいなもの)
ダーク・タワーの世界は中間世界(Mid-World)と呼ばれているが細かく分けるとその世界はさらに5つの地域に分けられ、其々がIn-World、Out-World、Mid-World(中間世界)、BORDERLANDS、End-Worldと呼ばれている。
主人公が最初に旅をするのはMid-Worldで
ダーク・タワーがあるのはEnd-World。
主要な舞台は中間世界で現実世界から紛れ込んだ人物が登場する。それだけではなく現実世界そのものも物語の舞台となる。
そして現実世界にも2種類ある。
中間世界はあらゆる次元に通じているのでパラレルワールドになっていていろんな現実に繋がっていて主人公達は目的に応じて何度か現実世界に侵入しますが、その内の一つが「根本原理世界(Keystone World)」と呼ばれるもので、これが我々の暮らしているこの現実世界。
この世界ではスティーブン・キングという小説家がメイン州で小説を書いていて、そのタイトルは「ダーク・タワー」。
つまり作中に作者が登場していますがこれがすごく重要になってきたりします。
キング作品の集大成ですが別に他作品を知らなくても楽しめます。別の本の登場人物が主要キャラとして出てきてたり、名前だけ出てきたりする程度ですので。
そして何より非常に長い!!
ハリー・ポッターの楽しいファンタジーと根本的に異なり
「ダーク・タワー」はダークファンタジーです。
万人にはオススメ出来ませんが嵌れば非常に面白い!
(私はこの手のダークファンタジー系は好きですね)
小ネタですが
映画『ミスト』で主人公デヴィッドが「暗黒の塔と薔薇、異世界へ通じる扉の前に立ったガンスリンガー」の絵を描くシーンから物語が始まっています。
映画に登場する怪物はこの中間世界から来ているという設定ですね。
(映画『IT/"それ"が見えたら終わり』に登場するペニーワイズも同じ)
映画の中では怪物がどこから来たのか一切説明が無いので
この辺りはちんぷんかんぷんになります。
(「軍隊が何かの扉を開けてしまったらしい」という情報だけ流れます)
この映画自体が怪物の謎よりラストの絶望感までの流れが優先されるので
寧ろその辺りは気にしない方が良いかも。
さて原作小説を軽く紹介した所で
本題の映画『ダーク・タワー』を紹介します。