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映画


2016/10/18(火)

そんな彼が「悪」に染まってゆく、その様子をジョーカーは楽しんだ。

彼の「正義」はバットマンの「正義」やゴードンの「正義」とは違い、ハービーの「正義」は純粋な正義。

それが象徴的に現われるのは、ゴッサム・シティ警察にはびこる汚職の問題。

ハービーはその摘発に内部調査部時代から熱心に取り組んでいましたが、ゴードンはそうではない。

ゴッサム・シティの警察は本来正義側ですが、その正義であるはずの警察に汚職という「悪」が蔓延るのはおかしいのではないか?というのがハービー・デントの考え方ですが、

ゴードンは、今はマフィアの資金源が摘発されようとしている時で、汚職という「小さな悪」よりマフィアの壊滅という「大きな正義」を実現すべきだと。

実際、ハービーもゴードンも些細な考え方の食い違いであると思っている。

映画の中で、最低でも3回はハービーはゴードンに内部汚職を告発しますが、その度に2人は衝突し結局はうやむやになっていく。

その些細な違いがレイチェルが爆死し、デントが重傷を負ってトゥーフェイスになるきっかけとなる大きな事件に発展していくのです。

 

 

★警察汚職を放置した理由 

  【「正義」とは:ジム・ゴードン】

 

ゴードン写真.jpg

 

ゴードンはなぜ、ゴッサム・シティ警察の汚職を放置していたのか。

実際、ゴードンも内部汚職の深刻さは理解しているが、マフィアの捜査で手がいっぱいでゴッサム・シティ警察の汚職摘発をする事になれば、人員が不足するばかりかマフィア捜査にあてていた捜査官からも逮捕者が出てくる可能性があり、今までの捜査の信ぴょう性が疑われ、捜査の積み上げがふいになり、もうすぐ摘発にこぎ着けられるところまで来たマフィア捜査がとん挫しかねない。

それだけではなく、ハービーが内部調査部時代から指摘していたということはかなりの年数、警察汚職が放置されていたが、何ら改善されなかった。

ゴードンは警察組織の身内意識の強さをいやというほど知っています。

しかし、ゴードンも警察の人間であり身内の犯罪を暴くことにはどうしても熱が入らない。

ゴードンは今まで汚職があるにせよ支障がない限りは目をつむることで対処し、警察をうまく回してきたという思いがあった。

なら、摘発直前というこの時期にわざわざ火種を掻きまわして火を大きくするようなことはしたくないという思いです。

彼自身、マフィアのボスであるマローニとはそれなりの付き合いがありました。

マローニはゴードンの言う「ピエロの箱を開けた人」その人です。

※ピエロとはジョーカーの事。(ジョーカーを街に放ったとい意味です。)

しかし、マローニはジョーカーが「やり過ぎ」であり、このままではゴッサム・シティ自体が崩壊して、マフィアの稼ぎ場所がなくなってしまうことを恐れ、ゴードンにジョーカーを逮捕させ、収集をつけようとしたのです。

ゴードンとマフィアの利害はジョーカー逮捕に関して利害が一致しました。

利害が一致したなら敵であっても柔軟に利用するというのがゴードンの考え方。

結果的には間に合わなかったが、ゴードンはマローニからの情報をもとに、ジョーカー逮捕の手はずを整えていました。

 

 

★正義を「力」で実現する

   【「正義」とは:バットマン】

 

バットマン写真.jpg

 

上記のようにゴードンは「正義」が「善」とイコールではなく、正義の語る「善」には限界があることを知っていた。

警察内部の汚職という小さな悪には目をつむり、マフィアの資金源摘発という大きな「正義」を実現しようとしたこの構図は程度の差はあれ、バットマンに共通する「正義」の考え方。

バットマンはゴードンと同様に「正義」が「善」とイコールではないことを知っていた為、バットマンとジム・ゴードンは長年に渡ってコンビを組むことが出来た。

バットマンはゴードンがやろうとしても出来ない、もしくは警察官としてしてはならない類の実力行使をして「正義」を実現しようとする。

バットマンはハービーに「きれいなまま(光の騎士)でいてほしい」「ゴッサム・シティの市民の「希望の星」でいてほしい」と願い、最後にはバットマンはデントの殺人を全て引き受けて去っていきます。

「正義」=「善」ではないことを知っており、実際にその考え方を行動に移して暴力や破壊をいとわないバットマンには「ヒーロー」の称号は与えられません。

ゴッサム・シティの一般市民にとって、「ヒーロー」とは「正義」であり「善」。

そして、ハービーはそれらを体現する者。

ゴッサム・シティの市民が希望を抱くヒーローになれるのはハービー・デントのみ。

ゴッサム・シティの市民に夢を与えるため、ヒーローになれないバットマンはハービーに「きれいなまま(光の騎士)」でいてもらう必要があった。

 

ハービーデント

「Then why was it me who was the only one who lost everything?」

(何故、俺だけが全てを失った?)

「The Joker chose me.」

(何故、ジョーカーは俺を選んだ?)

バットマン

「Because you were the best of us.」

(それは君が最も善良だったからだ。)

「He wanted to prove that evan someone good as you could fall.」

(ジョーカーは君ほどの善人でも悪に染まる事を示したかったんだ。)

ハービーデント

「And he was right.」

(なら奴は正しかったな。)

バットマン

「You`re the symbol of hope I could never be.」

(君は俺ではなれない希望の象徴だ。)

「You stand against organized crime is the first legitimate ray of light in Gotham in decades.」

(組織犯罪と正々堂々と戦う君の姿こそ、ゴッサムに長年存在しなかった輝かしい光だ。)

 

 

★悪を体現するもの【ジョーカー】

 

ジョーカー写真.jpg

 

ジョーカーはよくしゃべる。しゃべりまくります。

ラストでバットマンに高層ビルから突き落とされている時でも笑い続けているし、バットマンにロープで吊るされ助けられた時も悪態をつきながらしゃべりっぱなし。

狂気の男ジョーカーにとって、狂気に満ちたゴッサムシティの裏側の世界ならジョーカーはジョーカーでいられる。

ジョーカーという今の自分をありのままに受け入れてくれる世界「殺人・狂気・混沌・恐怖」

それら全てを支配する者としてジョーカーは裏の世界に君臨することになった。

 

彼がバットマンを殺さないのは、バットマンの信じる「正義」や「善」に憎しみを覚えるからです。

「本当に正義があるのなら、自分を負かして見ろ」と。

正義を否定するのに一番有効なのはバットマンを悪の道に誘い込おうとし、「今日、お前もルールを破れ」と誘い、バットマンが怒りにまかせてジョーカーを殺してしまえばジョーカーの思うつぼ。

「正義」の側に立つバットマンを「悪」に落とし込むことはジョーカーにとって究極の目標。

それでもバットマンはジョーカーを殺さない。

映画の結末でも結局はジョーカーを救い、司法の手に委ねました。

再び対決することがあったとしても、バットマンはジョーカーを殺さない(殺せない)。

 

ジョーカー

「You won‘t kill me out of some misplaced sense of self-righteousness.」

(お前は独りよがりな自己満足のせいで俺を殺せない)

「And I won`t kill you because of you`re too much.」

(楽しいから俺もお前を殺せない)

「I think you and I are destined to do this forever.」

(俺とお前は永久に戦う運命だろう)

 

 

★ジョーカーは「悪」そのもの。

その「悪」をどこまでも追ってくるバットマンは貴重な存在です。

悪をやっつける存在があるから、悪は「悪」でいられる。


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