ネタバレ満載になってしまうという状態。
脚本・演出・役者の三拍子その全てが完璧!
この映画のラストがあるからこそ
二部・三部への物語で深みが出るのだと感じます。
『インファナル・アフェアU/無間序曲』
(原題:無間道U)
(2003年公開)
警官として公務の陰でマフィアへの情報漏洩を図るラウと
身内を欺きマフィアの情報を警察に提供するヤンの
数奇な運命と苦悩が描かれる。
■あらすじ■
前作から遡ること11年、1991年の香港。
マフィアであるサムの部下ラウは警察へ潜入する事になるが、その直前にサムの妻であるマリーに組織のボスであるクワンの暗殺を依頼される。
密かにマリーに心を寄せていたラウはその依頼を受けクワンを暗殺する。ラウと同時に警察学校に入学したヤンはクワンの私生児という出自を理由に退学を言い渡される。
マフィアの台頭を危惧するウォン警部により組織への極秘潜入を条件に警官の身分を与えられたヤンはクワンの後継者で異母兄であるハウの部下として動き始める・・・
本作は続編と言っても主人公2人の若き日を描く前日譚。
前日譚を描く映画というものは数多くあり
前作(本筋)を超えられないというイメージがありますが
今作は単なる前日譚というだけでなく
前作を超える複雑かつ壮大なスケールを誇っている。
ヤンとラウの若き日を描くという簡単な物語ではなく
ヤンとラウ、ウォンとヤン、ウォンとサム、サムとラウ
の位置関係が非常に泣けます!
友情がありながら
次第に敵対し殺し合う運命が切なすぎる物語です。
『インファナル・アフェアV/終極無間』
(原題:無間道V:終極無間)
(2003年公開)
シリーズ第3作目にして完結編。
Tのラスト前後の2つの時期に焦点を当てつつ警察内部に潜伏し続けるラウの自らの運命を懸けた最後の闘いを描く。
■あらすじ■
潜入捜査官ヤンの○○(ネタバレ防止)から10ヶ月後、マフィアのスパイであるラウはある疑い(ネタバレ防止)をかけられたもののやがてその嫌疑は晴れ一時的に庶務課への異動したのち内務調査課へと戻ってきた。
ラウは警察官をして生きる道を選び自らの手で警察内部にいる残りの潜入マフィアを始末していく。そんな彼の前に新たに保安部のエリート警官ヨンが立ちはだかる。ラウはヨンに対し潜入マフィアではないかと疑いを抱きヨンの目の前で自殺したチャン巡査部長の遺品を調べヨンとサムとの会話が録音されたテープを発見、チャンはサムの商売相手だった本土の大物シェンがヨンと一緒に写っている写真を見つけ彼が潜入マフィアである事を決定づける。
ラウは精神科医リーからパソコンに大切に保存されていたヤンのカルテを手に入れる。そのカルテにはヤンの生涯で最も幸福だった日々が記されていた。カルテを読む内にラウはヤンに自分を重ねヤンの世界に入り込んでゆく。
一方で最後の対決の日が刻一刻を近づいていた・・・
本作は時間が前後しながら入り乱れラウの妄想も入り
更に新キャラも登場するので混乱必至。
しかしラストは綺麗に纏まり完結します。
ただ一度観ただけでは難しいので2〜3度観て欲しいですね。
ラストを知れば繋がってくる要素が多々ありますので。
Tで少ししか出番がなかった精神科医リーが数多く登場し
ラウ、ヤン、リーの関係性も面白い。
--------------------ここからネタバレ-------------------
ラウはマフィアであった過去の自分を消して
本当の警察官になりたかった。
その気持ちが大きくなりすぎた為に
ヤンになりたいと思うようになる。
("なりたい"ではなく"自分がそうだと思う"のが正解でしょうか)
ヤンである事を度々妄想し
自分が警察官だと思い込むようになります。
しかし
自分は骨の髄までマフィアだという事を突き付けられる。
ラストでヨンと銃で撃ちあう場面で
ヨンはラウの致命傷を負わせるようには撃たないが
ラウは躊躇う事なくヨンのこめかみに撃ちます。
ヨンは警察官であるが故に相手を殺す事はしない。
ラウが本当に警察官ならこめかみに撃たない。
(こめかみに撃つという事は殺そうとする意思があるからという事)
最後にラウは自殺しますが
死ぬ事が出来ず生きたまま地獄に堕ちる。
病院でラウに会いに来た妻のマリーとは別の女性
(この女性はサムの妻マリーですがもう死んでいます)
がラウを銃で撃つ場面で映画は幕を閉じます。
このやって今まで関わった人達に